
公認会計士を目指したきっかけは?
公認会計士という資格を知ったきっかけは、今振り返ると非常に運命的なものでした。
私はもともとITに強みがあり、将来的にはIT企業として独立することを考えていました。しかし学生時代の進路相談の中で、「公認会計士」という資格が国内でも屈指の難関資格であることを知りました。もしこのとき相談員の方から公認会計士という道を教えていただいていなければ、まったく異なる人生を歩んでいたと思います。
当初から起業を目的としていた私にとって、公認会計士は大企業の監査業務だけでなく、経営・財務コンサルティングなど幅広い業務に携わることができる資格でした。独立前に多種多様な企業の内情を知ることができる点に大きな魅力を感じ、この資格の取得を目指しました。
事務所の強みは?
私の事務所の強みは、「コンサルティング×国税OB」というハイブリッド型の税理士事務所である点です。
これまでの市場調査や実務を通じた肌感覚ではありますが、国税OBの先生方は、税務調査対応や月次の巡回監査を通じて、財務上のミスやリスクを未然に防ぐ点に非常に強みがあります。一方で、コンサルティング出身の先生方(人数としては多くありませんが)は、企業の財務状況を積極的に把握し、事業拡大や成長戦略に向けた助言を得意としています。
しかし実務上は、国税OB同士、あるいはコンサル出身同士で法人を立ち上げるケースが多く、両者の強みを併せ持つハイブリッド型の税理士法人は非常に希少です。
本来、経営者がどの点に重きを置くかによって、選ぶべき事務所が異なるのは当然のことです。しかし現実には、「どの事務所にどのような強みがあり、どんなデメリットがあるのかよく分からないまま、紹介されたから」「たまたま見つけたから」という理由で顧問契約を結んでいるケースが多いのではないでしょうか。
自社が「攻め」と「守り」のどちらに重点を置くべきかを把握しないままでは、誤った選択をしてしまう可能性もあります。経営では「戦略」という言葉がよく使われますが、限られた経営資源をどこに配分し、どのような戦術で局面を打開していくのかを考えることが重要です。そのため、私はあえてハイブリッド型の税理士事務所という形を選びました。
理想の事務所像
顧客から継続的に信頼される事務所であることが、私の理想です。
諸先輩方の長年の努力のおかげで、公認会計士や税理士に対してネガティブな印象を持つ経営者の方は、かなり少ないと感じています。そのため、資格者であるという理由だけで最初から軽んじられることは、ほとんどありません。
しかし一方で、AI技術の急速な発展により、日々知識の研鑽を怠る士業は、今後淘汰されていくことも予測されます。だからこそ当事務所では、常に新しい知識や情報を取り入れ、実務経験を積み重ね、その時代の最先端のノウハウを提供し続けることで、真に信頼される存在でありたいと考えています。
経営者の方へ
皆さまは、会計事務所をどのような存在として位置づけていらっしゃいますか。
資金繰りを見てくれる存在でしょうか。決算をまとめてくれる存在でしょうか。それとも税務申告をしてくれる存在でしょうか。
どれも正解です。ただし、すべての会計事務所が同一の質でこれらをサポートしているわけではありません。たとえば資金繰り一つを取っても、「融資に強い」「事業計画書の作成に強い」「経営資料の分析に強い」など、事務所ごとに得意分野があります。税務申告についても、税制改正を見落とした結果、本来使えたはずの優遇税制を活用できないケースもあります。
また最近では、「AIがこう言っているから、この方法を使いたい」という経営者の方も増えてきました。これは非常に前向きな変化だと思います。ただし、AIはあくまで一般に公開されている情報を広く収集・整理して提示しているに過ぎません。個別の事情に徹底的にカスタマイズされているわけではなく、その先にあるメリット・デメリットまで深く検討した提案ではない点には注意が必要です。
その情報を踏まえたうえで、共に経営を考えるパートナーの存在は、今も昔も変わらず重要です。会社を発展させるには、良きパートナーを見つけ、時には良いことも悪いことも率直に話し合う必要があります。私は、税理士業こそが経営者の真のパートナーになり得る仕事だと考えています。
士業と話すことに少し敷居の高さを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、密なコミュニケーションの中から新たなヒントが生まれることも少なくありません。ぜひ会計事務所を経営の一つのツールとして、有効に活用していただければと思います。
私の好きなこと
以前は、映画鑑賞や読書をよくしていました。
最近は、たまに取れる休日を、ゆっくりと過ごす時間を大切にしています。

